波瑠 新次郎とあさは全然似てなくてデコボコ夫婦なんて言われるけど、とても仲よしなところがかわいくて。ちょうどいいデコボコ加減で、お互いに足りない部分を補い合っている夫婦だと思います。
玉木 あさは新次郎のどんなところを補っているのかな。
波瑠 切り開いていく力とふんばりがないところ。旦那様はふんばれないですよね(笑)。
玉木 ふんばれないねえ(笑)。
波瑠 旦那様のほうは、あさが行動するときのエネルギーを出力調整してくれてますよね。ほかにはどんなことを補ってくれてますか?
玉木 うーん、家のこと(笑)? 「千代のことは任せとき」っていうセリフもあったしね。よそのお母さんがするようなことであさができないところを、新次郎が調整しているんだろうね。
波瑠 飄々として何もやってないように見えるけど、陰ではあさのために、自分なりに行動を起こしていたりするでしょ。そんなところがすてきです。
玉木 新次郎は自分が本当に考えていることをあえて見せないけど、理解力が鋭くて空気が読める人だと思う。子ども時代に抱えたトラウマがあって、だからこそ人の痛みがわかるし優しくできる。あさの弱い部分もわかっていて、メンタル面ではここぞというときにケアできる人ですね。
波瑠 あさも新次郎をありのまま受け入れていて、道楽はしてもあさに対しては誠実で、まっすぐ自分を見てくれていることを知っている。きちんと信頼関係ができているふたりなんです。
玉木 「10人お母ちゃんがいたら10通りのお母ちゃんがいるのや」と娘の千代に言うセリフがあったけど、一概にどんな夫婦がいいとは言えない。お互いに思いやりがあって補い合う関係を作ることができれば、それがいい夫婦なんだと思います。
波瑠 幸せの形って決まってないですもんね。あさのように仕事に打ち込む奥さんでも、家のことがいちばんの奥さんでも、夫婦ふたりが一緒にいて居心地よくて、共通の思いがあれば、それが理想じゃないかな。