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インタビュー

連続テレビ小説「なつぞら」
広瀬すず(ヒロイン・奥原なつ 役)

最終更新日 2019.04.01

「開拓」ということばはなつの人生そのもの

 撮影は北海道ロケからスタートしました。おかげで、「この大自然の空気に触れなければ分からなかった」という気付きがたくさんありました。十勝の人々は、酪農を営む一家が支え合い、人と人とのつながりを大切にして生きている。そんな温かさやたくましさを肌で感じられたのがうれしかったです。酪農に関するシーンでは、牛の世話をしたり、馬に乗って学校に行ったり、動物とふれあう機会が何度もあり、特訓もしました。ロケ中、自然に日に焼けた肌、おさげ髪でオーバーオール姿の私を見た共演者の皆さんからは、「今どきその格好が似合う女優さんはなかなかいない」と言われました(笑)。

 戦争で親を失い、柴田家に引き取られて育ったなつは、周囲にどこか遠慮したり気を遣ったりしてしまう性格です。でも、「ありがとう」「ごめんなさい」「自分は幸せだ」といった、普通はてれくさくて素直に口に出せないようなことをちゃんと言える。孤独を背負っているけれども決して後ろ向きではなく、むしろ太陽のような女の子。そこが魅力的ですね。

 いつも真っ先に私のことを気にかけてくださるのが、ヒロイン役を経験されている松嶋菜々子さん。とてもかっこよくてオーラがある大女優さんですが、ご本人の人柄そのままに、お芝居でも母親の愛情や優しさを自然に投げかけてくださる。だから私も感謝などの感情がすっとあふれてくるんです。あらゆる面で支えていただいています。

 ドラマでは「開拓」ということばがしばしば出てきますが、これはなつの生き方そのものだと思います。粘り強く好きなことを追い、逆境をバネにして人生を切り開いていくのがなつ。私もやり遂げないと気が済まない性格なので、そこはなつと似ていますね。涙と笑いがちりばめられたドラマの中で、ひとつひとつの感情を丁寧に演じていけたらと思っています。

(『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 なつぞら Part1』より再録)

プロフィール

広瀬すず(ひろせすず)

1998年生まれ、静岡県出身。2012年、モデルとしてデビューし、13年、女優デビュー。主な出演作に、映画「海街diary」、「ちはやふる」シリーズ、「三度目の殺人」、ドラマ「東京にオリンピックを呼んだ男」「学校のカイダン」「怪盗山猫」「anone」など。NHKでは、「激流~私を憶えていますか?~」に出演。20年には、主演映画「一度死んでみた(仮)」が公開予定。