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マヨラナ
1938年3月26日の夜、シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗った男が失踪した。
エットーレ・マヨラナ――。
エンリコ・フェルミ率いるパニスペルナ研究所でその天賦の才を発揮するも、周囲との軋轢から孤立していった風変わりな物理学者。ニュートリノが実際に観測される25年も前に、この粒子の性質について考察していた恐るべき男。
彼はなぜ失踪したのか?
原子核物理学の世界に何を残していったのか。
本書は、知られざる天才の驚くべき生涯の物語を軸に、核分裂という「錬金術」を実現しつつあった20世紀前半の物理学界の人々の人間模様、最新の素粒子物理学の課題を織り込んだ、他に類を見ないポピュラーサイエンス書である。