綻びゆくアメリカ 歴史の転換点に生きる人々の物語
民主主義の国、アメリカはいま危機に瀕している。勝者と敗者に二極化し、政治や経済の制度がもはや機能していないなかで、社会の紐帯を失った市政の人々は新しい道を模索してさまよっている。
衰退した南部のタバコ農家をあきらめてバイオ燃料に賭ける企業家、ラストベルトの工場労働者からコミュニティー・オーガナイザーへと転身したシングルマザー、政治的理想と利権の間で揺れるワシントンのインサイダー、インターネットの未来に疑問を抱くシリコンバレーの億万長者……。
救済と成功を求め、自力で道を探すほかない人々の人生を丹念に追いながら、物語は編み上げられていく。
綻びゆくかつての超大国の姿を透徹した視点で描き切り、本国で高い評価を得た話題のノンフィクション。全米図書賞受賞(ノンフィクション部門)・ニューヨークタイムズベストセラーの話題作。トランプ新大統領の誕生で、アメリカはどのように変わるのか、深い検証に役立つ注目の書。
⦿ニューヨーク・タイムズ紙
《トランプ勝利を理解するため》の1冊に選定!
ドナルド・トランプを選択したアメリカについて、もっともよく説明している
全米のメディア、各紙誌大絶賛!!
⦿パッカーの才能は、まさにスタインベックを彷彿させる。本書はノンフィクションの傑作と言っていい。
――ニューヨーク・タイムズ
⦿まるで叙事詩的小説のよう。徹底したジャ ー ナリズムによって、奇しくもその辺のどの小説より味わい深く、血の通った壮大な物語となっている。
――ロサンゼルス・タイムズ
⦿本書に描かれたこの国の陰鬱な光景は、痛ましいが事実だ。安っぽい希望や、ハリウッド的ハッピーエンドはない。しかし、パワーがある。そう、人々の心意気と気高さのなかに。
――ワシントン・ポスト