『杉田敏の現代ビジネス英語 2024年冬号』の全ての音声(4Lesson分のVignetteとWords & Phrases。音声ダウンロードで聴けるものと同じ音声)が無料で聴けるようになりました(期間限定)。1Lessonが聞ける期間は1か月。「毎日規則正しく学習したい」「放送を聴くように受講したい」という方にお勧めです。「英文と訳を見ながら学習したい」という方は、別途ムックをご購入ください。
井出恭平は最近、興味深いオンライン記事を目にしました。日本の地方にある小さなバス会社が、「お客様は神様ではありません」というキャッチフレーズとともに、意見広告を出したというのです。このバス会社は広告の中で、理不尽あるいは事実無根と思われる苦情を受けてきたと言っています。
お客を大切にしない企業などないのですが、お客との嫌な経験によって、従業員が精神的な打撃を受ける場合があります。お客によるひどい扱いのせいで、従業員の仕事への取り組みや仕事の成果が悪影響を受けるおそれがあるのです。お客の敵意が従業員のメンタルヘルスに重大な影響を与えるのは当然だと思われます。
パンデミックの初めのころには、小売業やサービス業の従業員が、棚に商品を補充し続けてお客にいつも満足してもらうために奮闘していました。突然、彼らは「エッセンシャルワーカー」と呼ばれるようになっていたのです。ところが、時間の経過とともに、買い物客はだんだん無礼になりました。
従業員を第1に、お客を第2に、株主を第3に優先する航空会社があります。従業員を大事にすると、結果として従業員はお客を大事にし、ひいては、事業も利益も、全体の幸福度も向上するというのです。またその航空会社は、お客からの苦情の数が業界でいちばん少なく、型破りの会社としても知られています。
従業員の幸福と安全はA&Aの最優先課題であるべきだ、と井出は言っています。従業員がお客などの第三者からハラスメントを受けている時に、会社が行動を起こさなければ、好ましくない職場環境を作り出したとして、法的責任を問われる場合があります。会社は明確な態度を取って、全従業員を守らなければなりません。