『杉田敏の現代ビジネス英語 2023年秋号』の全ての音声(4Lesson分のVignetteとWords & Phrases。音声ダウンロードで聴けるものと同じ音声)が無料で聴けるようになりました(期間限定)。1Lessonが聞ける期間は1か月。「毎日規則正しく学習したい」「放送を聴くように受講したい」という方にお勧めです。「英文と訳を見ながら学習したい」という方は、別途ムックをご購入ください。
人間以外にも、言語を発達させてきた動物はいるのでしょうか。ジェーン・ローゼンバーグの問いに対して井出恭平は、動物がさまざまな鳴き声でコミュニケーションをとる方法は「言語」の定義に当てはまらない、というのがほとんどの専門家の一致した意見だ、と言っています。
人間はことばでコミュニケーションをとって、自分の感情や自分が求めていることを表現します。井出は犬や猫や鳥の鳴き声の意味を理解できるわけではありませんが、動物のコミュニケーションのさまざまな側面を研究しているスタディグループの一員です。このグループは、機械学習のアルゴリズムを利用しています。
動物のコミュニケーションは複雑かつ多様なので、動物たちが言おうとしていることを正確に翻訳できる機器を作るのは難しい、と井出は言います。ティム・ブランコは、犬が何を言っているのかを知りたいそうです。というのも、昨年、パンデミック・ペットとして犬を飼い始めたからです。
ここ50年ほどの間に、主に類人猿に基本的な言語を教えようと試みられてきました。しかし、3歳児並みの言語の能力を身につけた動物はまだいません。たとえば、「なぜ」というのは、子供たちが遅くとも3歳までに口にし始める質問です。でも、「なぜ」と尋ねた動物はまだいないようです。
井出は、動物のことばを翻訳するという発想に悲観的なようです。完全に機能する翻訳機は、将来果たして開発されるのでしょうか。今後数年以内に、現在のものよりも少し改良されたバージョンの動物語翻訳ツールがいくつか登場する可能性はあります。でも、完全な機能を備えた動物語の翻訳機は、現在のAI技術の能力では及ばないのでしょう。