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週末に井出恭平は仲間の獣医師たちと一緒に、地域のイベントに参加しました。地元の公園での、ペットの無料診療所です。また、アメリカの多くの獣医師がそのようなイベントでボランティアとして、動物の健康や、責任あるペットの飼い方などについて人々に教えています。ティム・ブランコはボランティアとして、大学生が3年で卒業できるよう手助けしています。
ボランティア活動のよい面は、自分が気にかけている社会活動に貢献して、実際に影響を与える機会を得られることです。そうした活動を通じて、新しい友人を作ったり、人とのつきあいの輪を広げたりすることもできます。その一方で、それなりの課題も確かに伴います。井出にとっての最大の課題は、時間管理です。
ボランティア活動においては最近は、奉仕団体への定期的な参加よりも、もっと形式ばらない活動への移行が見られます。従来のボランティア活動に正規に参加する人は減る一方ですが、自分の生活にもっと合わせられるように、時々ボランティア活動をする機会のほうを選ぶ人たちが増えています。忙しいスケジュールに合う活動の機会が求められているのです。
移動が困難な人やスケジュールが詰まっている人などの間で、バーチャルボランティア活動をする人が増えています。その活動範囲は広がっており、個人教師やメンタリングから、グラフィックデザインやデジタルマーケティングまで、さまざまです。65歳以上の人は、若い人よりも2倍から3倍、ボランティア活動をする傾向があると言われます。
日本のボランティア活動の事情について、井出が説明しています。日本は地震や津波など、自然災害が多いので、地域に根ざした災害救援ボランティア活動が増えています。1995年に巨大地震が神戸とその周辺地域を襲い、6,000人を超える人が亡くなりました。その際、日本中から、前例のない数のボランティアの人たちが現地に集まったのです。
フランク・サルームは、週末にバードウォッチングに行きました。珍しい鳥は見つかりませんでしたが、バードウォッチングは緊張をほぐすのにとても役立つと言います。アメリカ鳥学会は、人名由来の鳥の名前をすべて変更する予定です。そうした名前は全部で200を超えると考えられています。
鳥類の新しい名前を決めるのは、科学者や自然保護活動をしている人、鳥の愛好家で、その鳥の特徴を上手に表す名前を作るように心がけています。それは大がかりで、前例 のないプロジェクトです。現在の鳥の名前の中には、人種差別や植民地主義、奴隷制度など、歴史上の問題のある部分に関連した人たちのことを言っているものもあります。
全米で多くのコロンブス像が破壊されたり撤去されたりしたのは、彼が植民地主義や先住民族の虐待に関連していたからです。マッキンリー山はもともとは先住民のことばでデナリと呼ばれていましたが、マッキンリー大統領を称えて改名されました。結局、デナリに戻されましたが、またマッキンリーという名前に戻されるのでしょうか。
人名由来の鳥の名前を変えるというこのプロジェクトの全体的な目標は、鳥の名前を鳥そのものに目を向けたものにすることです。鳥学会は、問題のある歴史と関わりがある名前だけではなく、人名由来の名前すべてを変更すると決めました。しかし、名前の変更はできれば今年はしないでほしい、とサルームは言っています。
テクノロジーも、鳥に対する人々の理解をこの数十年で一変させました。レーダーや軽量の追跡装置、衛星遠隔測定のおかげで、毎年大陸を越える鳥たちの壮大な渡りを、科学者たちは地図上で詳細に示すことができます。バードウォッチャーたちが使う道具は、長年の間に大きく変わりました。