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リディア・グレースは、父親と兄の家族と一緒に年末の休暇をバルセロナで過ごしました。彼女の父親は82歳。アルツハイマー型認知症なので、今回の旅が最後の海外旅行かもしれません。父親は、子供のころに行ったヨーロッパ周遊旅行で、バルセロナが特に好きだったそうです。
観光客が次々とやって来るバルセロナでは、グレースは地元住民のいらだちの兆しを目にしないわけにはいきませんでした。「観光客は帰れ!」と書かれた横断幕がバルコニーから吊るされていたそうです。でも、グレースたちは配慮のある旅行者でいるよう努めました。家族経営のペンションに泊まり、地元のカフェで食事をし、混雑する時間帯を避けました。オーバーツーリズムは、今では世界的な問題です。
バルセロナの住民は、オーバーツーリズムの深刻な弊害に苦しんでいます。住宅費の急騰、ビーチの汚染、道路の混雑などです。ヨーロッパのいくつかの国は、観光客の迷惑行為に歯止めをかけるための規則を導入し始めました。その目的は、マナーをきちんと守って行動する、大多数の観光客の観光体験を守ることです。
太陽、砂浜、海は今でも利用できますが、観光客に求められているのは、良識と配慮と分別を持って楽しむことです。私たちは2つの行動規範に沿って行動する必要がある、とグレースは言っています。つまり、環境を保護することと、観光を地域社会の価値観に必ず合わせることです。
井出恭平は、観光客に対するパラオの戦略の話をしています。消費額が多くて環境への負荷が小さい旅行者を引きつけることによって、観光客を減らしつつ、経済的・環境的なメリットを増やす、というものです。パラオでは観光客は、地元の慣習を尊重することと海洋生物を守ることが奨励されています。目指しているのは、地域の生態系や文化に負担をかける人々ではなく、それらを支える人々に来てもらうことなのです。