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終末の思想

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電子版

NHK出版新書

終末の思想

[著] 野坂昭如

配信開始 2014年03月25日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

自ら滅び行く日本民族へ――最後の文士・野坂昭如の遺言

右へ進もうが、左に行こうが、日本のお先は真っ暗闇。食と農を疎かにし、金と物を崇め、原発エネルギーに突っ走り……その当然の報いによって、日本は滅びようとしている。希望や救いはどこにもない、日本はもう一度焼け野原になるしかないことを万感を込めて謳う、“最後の文士”野坂昭如、渾身の檄文。

 “最後の文士”あるいは“元祖プレイボーイ”とも呼ばれる野坂昭如氏ですが、もう一つ歌手としての“クロード野坂”という別名があります。近年ではクレイジーケンバンド(CKB)との共演が知られています。
 「この世は もうじきお終いだ/あの町この町 鐘が鳴る」(『マリリン・モンロー・ノー・リターン』)
 「どんな人間にも かならず終わりは来る/どんな世の中にも かならず終わりは来る」(『終末のタンゴ』)
 こうした歌手・野坂氏の雄叫びの延長線に、本書『終末の思想』が生まれました。
 しかし、考えてみれば、小説家としてのデビュー作「エロ事師たち」から、「アメリカひじき」「火垂るの墓」、そして代表作と言われる『骨餓身峠死人葛』『てろてろ』『戦争童話集』などに至るまで、あるいは原発問題、食糧・農業問題をめぐる予言的・先駆的な様々なエッセイ・ルポタージュを含め、作家・野坂氏が書き続けてきたことのすべては「終末の思想」ではなかったのかと。
 ある文学者は野坂氏のことを「天国の中に地獄を見、地獄の中に天国を見ることができる稀有な存在」というように評しました。敗戦による焼け野原という原風景を保ち、戦後日本の繁栄の“虚妄”に“滅亡の予兆”を見続けることができた稀有な作家の、2013年という現時点における、その一貫した思想の集約が本書ではないかと思います。
 野坂氏は、2003年に脳梗塞で倒れられて以来、ご自宅でリハビリ生活を送られています。しかし、世の中を見る視線の強さにはまったく衰えはありません。
 なるべく多くの読者の方々に、変わることのない“野坂節”を堪能していただき、来るべき“終末”に備えてもらえればと願っています。
(NHK出版 高井健太郎)

目次

第一章 この世はもうすぐお終いだ
第二章 食とともに人間は滅びる
第三章 これから起きるのは、農の復讐である
第四章 すべての物に別れを告げよ
第五章 また原発事故は起こる
第六章 滅びの予兆はあった
第七章 上手に死ぬことを考える
第八章 安楽死は最高の老人福祉である
第九章 日本にお悔やみを申し上げる

商品情報

配信開始
2014年03月25日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub/xmdf
JP-eコード
1408839801000000000p