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アメリカのジレンマ 実験国家はどこへゆくのか

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電子版

NHK出版新書

アメリカのジレンマ 実験国家はどこへゆくのか

[著] 渡辺靖

配信開始 2015年07月21日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

反米/親米を超えて変わりゆく大国の素顔をとらえる

「貧困大国」等々のアメリカ衰退論は、どこまで的を射ているのか。これからの対アジア政策、中東政策、日米関係はどうなるのか。そして“ポストオバマ”のアメリカはどこへ向かうのか――。戦後70年を機に、気鋭の文化人類学者が、「歴史認識」「政治」「社会」「外交」から、アメリカ社会の実相とダイナミズムを鮮やかに描きだす。
※写真の一部をカラーで収載しています。

 オバマ大統領は7月2日、1961年以来半世紀あまり国交を断絶していたキューバと正式に国交を回復すると発表しました。2017年初頭に任期満了となるオバマ大統領にとって、この「冷戦」の終了が最大のレガシー(歴史的遺産)となることは確実です。
 2015年は戦後70年ということで、当社を含め(今月のもう一冊『「聖断」の終戦史』等)さまざまな記念企画が目白押しですが、勝戦国アメリカにとっても、当然、戦後70年です。
 第二次大戦敗戦後、ずっとアメリカを通して世界を見、アメリカを手本として民主主義社会を築いてきた日本。当のアメリカにとって「戦後」とはどのようなものだったのでしょうか。
 あまりにも近く、大きな存在であるため、日本人のアメリカに対する感情は他国に向かうそれよりも大きくバイアスがかかり、結果、非難にせよ礼賛にせよ評価が極端にはしる傾向があるようです。
 アメリカ研究の第一人者、渡辺靖さんはかの国を、文化人類学の基本手法である「フィールドワーク」で研究してきました。特定の視点にとらわれず対象を冷静に観察する態度によって、「貧困大国」「自由主義の盟主」などと単純なレッテル貼りをしていては見えてこない大国の葛藤が浮き彫りになります。それは、自由であるがゆえに格差をゆるし、差別が根強いゆえに人権に敏感で、国際秩序を守るために戦争を続ける大国のジレンマです。
 同時に彼の描き出すアメリカには、さまざまな民族や宗教の人たちの血が通っており、史上最大の実験国家にふさわしいダイナミズムが感じられます。
 建国以来初の黒人大統領として、就任時すでに自身がレガシーとなってしまったオバマ大統領は、アメリカのジレンマとダイナミズムを体現するリーダーでもあります。オバマ時代とは何だったのか。これからのアメリカと日米関係はどこへ向かうのか。アメリカ社会をさまざまな角度から「フェアに」見つめる渡辺さんの視点を借りて、私たちは意外な「同盟国」の素顔を知り、かの国と私たち自身の戦後民主主義について、より深く理解することができるでしょう。
(NHK出版 福田直子)

目次

はじめに
第一章 アメリカの「歴史認識」──日本像から見る
(1) 不可解な日本の「保守」
(2) なぜ右派が警戒されるのか
(3) 更新される「歴史認識」
(4) 「ディスカウント・ジャパン」への反応
第二章 アメリカの「戦後」──保守とリベラルの相克
(1) 「自由社会の盟主」はいかにつくられたか
(2) 「黄金の五〇年代」を起点とするアメリカ現代史
第三章 戦後社会の変質──自由大国のジレンマ
(1) 「個人化」する社会
(2) 保守化する経済、拡大する格差
(3) 超資本主義化する政治
(4) 新自由主義的「自治」の加速
(5) 社会のリベラル化
第四章 オバマ外交の現実──「世界の警察官」からの退却
(1) アメリカ再建への要請
(2) アジアへの「リバランス」
(3) 転機を迎える日米関係
(4) 中東をめぐる混迷
第五章 「アメリカの世紀」は終わったのか──親米/反米を超えて
(1) アメリカ衰退論を検証する
(2) アメリカの自画像
(3) アメリカへのまなざし
おわりに

商品情報

配信開始
2015年07月21日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub
JP-eコード
1408846401000000000m