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「聖断」の終戦史

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電子版

NHK出版新書

「聖断」の終戦史

[著] 山本智之

配信開始 2015年07月31日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

1943年3月、天皇の発言をきっかけに終戦工作が始まった――通説を塗りかえる1冊。

1945年8月の昭和天皇の「聖断」は、どう引き出されたのか。これまでの説では、本土決戦が迫る中、徹底抗戦派の陸軍と和平派の対立を天皇が土壇場で裁定したと言われてきた。だが、はたしてそれは本当か? 本書は、アジア太平洋戦争の開戦から終戦までに何度も出された「聖断」をテーマに、天皇と指導者層の対立と妥協の様子を描きながら終戦の真相を明らかにしていく。新たな終戦史の誕生!

 今年は、アジア太平洋戦争から70年目の年です。書店に行けば、さまざまな関連書籍が並んでいますが、本書は、一九四五年八月一五日の「終戦」について、新進気鋭の研究者が迫った1冊です。
 実はこれまで、アジア太平洋戦争の研究テーマとして注目されてきたのは、本書のテーマである「終戦」よりも、1941年12月に始まった日米戦争いわゆる「開戦」のほうでした。その理由は、アメリカという超大国を相手になぜ国力の劣る日本が戦争を起こしたのかという率直な疑問に対する関心の強さがありますが、もうひとつ、1945年8月の敗戦決定後、連合国の追及をのがれるために軍や外務省などが保持していた多くの資料が焼却・隠蔽されたことにより「終戦」に関する研究が「開戦」ほどには進まなかったということがあります。その結果、終戦に関する通説は、本土決戦を主張した陸軍といち早く終戦をしたかった宮中・海軍・政府の対立を、昭和天皇が「鶴の一声」いわゆる「聖断」によって収めて実実現した、というのが一般的に広まっています。
 著者の山本智之氏は、こうした見方に疑問を呈します。自身がこれまで研究してきた陸軍における「早期講和派」に着目、さらに最終的に終戦を実現した言われる1945年8月のポツダム宣言受諾の「聖断」だけでなく、開戦から終戦までのあいだにあったさまざまなターニングポイントおける天皇と指導者たちの言動を丁寧にフォローしながら、終戦の「真相」に迫っていきます。
 “天皇の「聖断」は実も何度もあった”“陸軍が終戦実現に重要な役割を担っていた”など、これまでにない独自の視点は、終戦過程の謎に新たな光を投げかける内容となっています。
 「一度始まった戦争を終わらせることがいか難しいのか。そのことを本書で伝えたい」と山本氏は言います。戦後70年ものあいだ戦争をしなかった日本の今後を考えるうえでも、この夏、ぜひご一読を。
(NHK出版 伊藤周一朗)

目次

はじめに
序章 終戦の通説はどうつくられたか
第一章 終戦史研究と「聖断」
第二章 開戦の「聖断」下る──勝利を前提として
第三章 知られざる「聖断」──勝利から引き分け狙いへ
第四章 対等和平を断念する──終戦工作の本格化
第五章 敗戦容認の「聖断」ついに下る──暗黙の「合作」
終章 「聖断」と終戦の戦後史
参考文献一覧
関係年表
あとがき

商品情報

配信開始
2015年07月31日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub
JP-eコード
1408846501000000000K