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戦前日本の「聖地」ツーリズム
いま「聖地巡礼」は宗教や漫画・アニメの「ご当地めぐり」を指し、個人の嗜好に基づく自由な行為だが、昭和戦前期は違った。同調しない人を非難し排除する、強い圧力を伴ったのである。 本書は、始めは教養主義エリートの西洋への憧れから生まれ、一般大衆へと広がった「聖地」めぐりのブームが、いかに発展し、社会の中の同調圧力を生み出すに至ったかを解明する試みである。 この過程に、「全国的鉄道網の整備によるツーリズムの大衆化」が強く作用したことは、これまで看過されてきたのではないか――。 実力派の歴史家が渾身の力を込めて描き出す、瞠目の日本〈感情〉近代史!