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「一九〇五年」の彼ら 「現代」の発端を生きた十二人の文学者

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電子版

NHK出版新書

「一九〇五年」の彼ら 「現代」の発端を生きた十二人の文学者

[著] 関川夏央

配信開始 2013年11月20日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

いまに連なる日本人の「原形」がここにある

日本が日露戦争に勝利した1905(明治38)年、「いまにつながる日本が幕を開けた」。漱石や啄木、鴎外や露伴など著名文人12人の「1905年」とその晩年の姿を描くことで、現代的自我の萌芽や拝金主義の発現、海外文化の流入と受容、「表現という生業」の誕生といった現代日本と日本人の祖型、その成熟を探る意欲的な試み。

 生と死についての哲学的煩悶、金銭と名誉への欲望、恋愛や不倫の懊悩、「自分探し」や「自己中心的」傾き、女性の社会的自立の問題……。その多寡はともかく、現代人であれば、身に覚え(経験や関心)のあるものではないでしょうか。日露戦争に勝利した一九〇五年の日本を著者は「国民国家のピーク」といいます。そのピークを生きた十二人の文学者たちは、冒頭に掲げたような私たちと同じ問題や悩みを抱えていました。江戸時代の残光を浴びつつ長じた彼らは、私たち現代人の「嚆矢」「はしり」だったのです。
 本書では、十二人の「一九〇五年」と「晩年」を中心に、その偉業と懊悩の知られざる軌跡を詳らかにしていきます。そこには、肥大した自我によるスキャンダラスな事件や、彼らを悩ませた嫁姑の確執、芸術で生きる代償としての金銭的困窮がありました。そして、そのどれもが現代的な色彩を帯び、読むものに時代を超えた「近さ」を感じさせます(十二人がもつ「色彩」は目次からご推察ください)。
 よく知られた十二人ですが、著者が描く彼らの軌跡は、教科書で教わった偉業とはひと味違う、人間味とリアリティに溢れた「物語」です。彼らに自らを重ねながら読み進めて頂けたらと思います。
(NHK出版 小湊雅彦)

目次

森鴎外
熱血と冷眼を併せ持って生死した人
津田梅子
日本語が得意ではなかった武士の娘
幸田露伴
その代表作としての「娘」
夏目漱石
最後まで「現代」をえがきつづけた不滅の作家
島崎藤村
他を犠牲にしても実らせたかった「事業」
国木田独歩
グラフ誌を創刊したダンディな敏腕編集者
高村光太郎
日本への愛憎に揺れた大きな足の男
与謝野晶子
意志的明治女学生の行動と文学
永井荷風
世界を股にかけた「自分探し」と陋巷探訪
野上弥生子
「森」に育てられた近代女性
平塚らいてう(明子)
「哲学的自殺」を望む肥大した自我
石川啄木
「天才」をやめて急成長した青年

商品情報

配信開始
2013年11月20日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub/xmdf
JP-eコード
14088378010000000009