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「道徳」を疑え! 自分の頭で考えるための哲学講義

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電子版

NHK出版新書

「道徳」を疑え! 自分の頭で考えるための哲学講義

[著] 小川仁志

配信開始 2014年01月29日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

思考停止に陥らず、現代社会を生き抜くために

多発するいじめや虐待、社会マナーの低下などを背景に、道徳の教科化の議論が持ち上がっている。しかし、それで本当にすべてがまるく収まるのか。本書では、人気哲学者がいわゆる「道徳の常識」を徹底的に疑うことを通して、現代人のモラル崩壊という問題の核心へと切り込んでいく。多様な価値観がせめぎあう複雑な現代社会を、我々はいかに生きるべきか。具体的な事例を挙げながら、「21世紀の道徳」を自らの手で新たに構築していこうという野心的な一冊。

 近年、「道徳」の教科化の議論が活発化しています。たしかに、多発するいじめや虐待、マナー違反などのニュースを日常的に見聞きするにつけ、なんらかの対処が必要なのでしょう。でも、道徳を教科化したところで全てが丸く収まるのかどうか……。
 それについて、哲学者である著者は、むしろ本当に必要なのは「自分の頭で『正しさ』を考える」力であると断言します。
 例えば、あなたは「なぜいじめがいけないのか?」「なぜ法律を守らなければいけないのか?」と聞かれたら何と答えますか。「いけないことだから」とか「そう決まっているから」以上に、理由を言えるでしょうか。実際、現代社会で起きている問題は、上に挙げたものよりもっと複雑なものばかりです。原発の問題や憲法改正の議論など、いろいろな人がさまざまなことを主張しています。つまり、私たちがその是非について判断をしようと思ったら、最終的にはしっかりと自分の頭を使って考えるしかないというわけなのです。
 ちなみに本書では、扱う問題を実際の「道徳」の教科書に似せて「自分」「他人」「命・自然」「集団・社会」といった4つのテーマに絞りました。いわば、裏・「道徳」の教科書という感じでしょうか。本文中で、ソクラテスからはじまる西洋哲学の大きな流れを踏まえ、政治・公共哲学の具体的な議論を行っていますので、それらを他人事ではなく、ぜひ自分の問題としてしっかりと考えてみていただければと思います。
 著者は、本書の狙いとしてあとがきにこう書いています。「日本の未来はどこにあるのでしょうか?(中略)私たちが生きるべき正しい道は、自分で考えて決めるしかないのです」。
 一人ひとりが正しい判断ができるようになれば、社会は自ずといい方向に回りはじめるでしょう。いま、道徳を考える意味とは、まさにこの点にあるのではないかという気がします。
(NHK出版 山北健司)

目次

第1章 「道徳」の転換点―心の問題から公共・政治の問題へ
第2章 哲学は道徳をどう考えてきたか
第3章 “自分”―なぜ誠実に振る舞わなければいけないのか?
第4章 “他者”―人を利用するのは悪いことか?
第5章 “命・自然”―環境を破壊し、動物を殺すのはいけないことか?
第6章 “集団・社会”―ルールやマナーは絶対守るべきなのか?
第7章 「道徳」の消える日―自分の頭で考えるためのレッスン

商品情報

配信開始
2014年01月29日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub/xmdf
JP-eコード
1408842101000000000r