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アトウッド『侍女の物語』 『誓願』 2025年6月
狂信的な全体主義国家に変貌した近未来のアメリカを舞台に、女性の性と生殖に関わる権利がことごとく剝奪された恐怖社会を描いた小説『侍女の物語』(1985)。トランプ政権の成立以降、アメリカ、そして世界中で強まる右傾化や全体主義的傾向を予見した書物として、改めて注目を集めている。そして社会の不安が高まるなか、15年後の未来を描いた『誓願』(2019)が刊行。第二次トランプ政権が始まり、フィクションを越えるような事態が現実に起こりつつある状況下で、この鋭いディストピア小説を読み解き、自由とは何か、抑圧的な体制や政治手法に抗するにはどうすればよいのかなど、「今そこにある危機」について思索する。
チャンネル | 放送日 | 放送時間 |
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Eテレ(本) | 月曜 | 午後10:25~10:50 |
Eテレ(再) | 金曜 | 午後3:05~3:30 |
翻訳家、文芸批評家。1963年東京都生まれ。英米圏の同時代作家の紹介と並んで古典名作の新訳にも力を注ぐ。主な訳書にエミリー・ブロンテ『嵐が丘』、マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(新潮文庫)、マーガレット・アトウッド『昏き眼の暗殺者』『誓願』『老いぼれを燃やせ』、J・M・クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』(早川書房)、アマンダ・ゴーマン『わたしたちの担うもの』(文藝春秋)他多数、主な著書に『文学は予言する』(新潮選書)、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマ―新書)、『翻訳問答』シリーズ(左右社)、『NHK「100分de名著」ブックス マーガレット・ミッチェル 風と共に去りぬ』(NHK出版)、編訳書にポケットマスターピース『ポー』『キャロル』(集英社文庫)などがある。