カートに追加されました
フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 2025年7月
本書が著されたのは20世紀前半のヨーロッパ。あらゆる学問が発展を遂げ、人類は世界をより深く、より正しく理解できるようになった。にもかかわらず、哲学者フッサールはそこに「諸学の危機」を見て取る。客観的な真理や発見を追い求めるあまり、原点である「どう生きればよいのか」「何がよいことなのか」が置き去りにされてしまったからだ。私たち人間という存在に深く関わるこれらの問いに、学問が再び向き合うことができるよう、フッサールは「現象学」を提唱した。
生きる意味や価値を共に探り、分かち合うことで、よりよい社会のあり方も見えてくる。現象学のエッセンス、そして今すぐ実践できる、現象学を用いた哲学対話の手法を学ぶ。
チャンネル | 放送日 | 放送時間 |
---|---|---|
Eテレ(本) | 月曜 | 午後10:25~10:50 |
Eテレ(再) | 金曜 | 午後3:05~3:30 |
大学院大学至善館教授。1957年鹿児島県生まれ。哲学者。東京大学教養学部を卒業後、同大学院総合文化研究科修士課程修了。和光大学教授、東京医科大学哲学教室教授などを経て現職。専門は社会哲学、現象学の手法を用いた哲学対話。著書に『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)、『学びのきほん しあわせの哲学』(NHK出版)、『哲学は対話する――プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉』(筑摩選書)など多数。「100分de名著」では、ニーチェ『ツァラトゥストラ』(2011年4月)、ルソー『エミール』(2016年6月)、カント『純粋理性批判』(2020年6月)で指南役を務める。