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サン=テグジュペリ『人間の大地』 2025年8月
世界的なベストセラー『星の王子さま』で知られる作家サン=テグジュペリ。そのもう一つの代表作『人間の大地』は、飛行機の操縦士でもあった彼が、自身の経験、仲間たちとのエピソードから得たこと・思索したことを綴り、編んだ一冊で、自伝的なエッセイという枠に留まらず、小説、寓話、哲学、箴言など多彩な表情を持つ類例のない著作となっている。そこで探究されているのは、窒息しそうな近代文明の中で、人間の生の本質を見出し、真の「人間」を目覚めさせ、甦らせること。困難に直面しているすべての人に、生きること、そして人間同士の連帯への希望を抱かせてくれるその文章を、いま丁寧に読み直し、豊かな生き方について考える。
チャンネル | 放送日 | 放送時間 |
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Eテレ(本) | 月曜 | 午後10:25~10:50 |
Eテレ(再) | 金曜 | 午後3:05~3:30 |
放送大学教授、フランス文学者。1959年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院人文科学研究科およびパリ第3大学博士課程に学ぶ。一橋大学法学部、東京大学教養学部などで教鞭をとり、東京大学文学部教授を経て、現職。専門はフランス近・現代文学の研究・翻訳、映画論。文芸評論やエッセイなどの執筆も行う。著書に『ジャン・ルノワール 越境する映画』『赤ちゃん教育』(ともに青土社)、『異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論』(講談社)、訳書にジャン=フィリップ・トゥーサン『浴室』(集英社)、スタンダール『赤と黒(上・下)』(光文社古典新訳文庫)、ウエルベック『地図と領土』(筑摩書房)、ネルヴァル『火の娘たち』、サン=テグジュペリ『夜間飛行・人間の大地』(ともに岩波文庫)など多数。