フッ素樹脂などで表面加工のしてあるフライパンが一般的になっている昨今、料理研究家のしらいのりこさんは鉄製のフライパンも愛用しています。
「これは持ち手を外してオーブンで焼いたり、そのままお皿として食卓に出したりすることもできるんです。鉄製でも使いやすく、手入れも簡単。料理によって使い分けています」
このフライパンをつくっているのは、創業以来ずっと金属製品一筋の、大阪の小さな町工場。あるとき東京の小さなデザイン事務所と出合い、“「つくる」と「たべる」を一つにする”というコンセプトのもと、共同開発して生まれました。
最大の特徴は、外周にリム(縁)があり、お皿のような佇まいになっているところ。このリムのおかげで、360度どこからでも持ち手を取りつけることができるのです。料理ができ上がったら、そのまま食卓へ。器へ移しかえる手間がなく、アツアツのままいただくことができます。
スタイリッシュなデザインながら、老舗(しにせ)工場がつくっているだけあって、もちろんフライパンそのものも優秀です。1.6㎜と厚手の鉄板を使っているので、「たとえばお肉なら、外はカリッと、中はふっくらジューシーに焼き上がりますよ」。
使用後は水とたわしでこすり洗いをし、火にかけて水けをとばせばOK。使い込むほどに油がなじみ、重厚感のある黒色へと味わいを増していくので、フライパンを“育てる”のも楽しみの一つかもしれませんね。
撮影・原ヒデトシ
表面はカリッと香ばしく、中はスパイシーでふっくらしたご飯。いつものカレーとはひと味違う、新鮮なおいしさをお試しあれ!
洗剤を使わずにたわしで水洗いし、火にかけて水けをとばします。調理前に多めの油をなじませる「油返し」「油ならし」は使いはじめと長期間保管のあとだけでOK。使うほどに色や質感の深まりを実感できます。
炒める→オーブンで焼く→食卓へ、という流れが1つのフライパンで実現。直火やIHとオーブン、それぞれの調理法のよいところを生かせます。
専用のハンドル(持ち手)は、使うほどに手になじむ無垢(むく)のブナ材。軽くスライドさせるだけで、片手で簡単に着脱できます。