よい道具には、理由があります。
料理研究家が愛してやまない台所道具の
逸品と、
その「わけ」を、ご紹介します。

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Vol.21

ワタナベマキさん
「陶器の薬味おろし」

「きょうの料理」6月号掲載分

「昔から、香りのよい薬味がとにかく大好きなんです。ふだんから冷ややっこや麺類、鍋物にはおろししょうが、焼き肉やサムギョプサルにはおろしにんにく、お刺身にはおろしわさびと、いろいろなメニューに薬味を添えて楽しんでいます」。そんなマキさんだから、薬味おろしへのこだわりも人一倍強いそう。「今まで銅製の薬味おろしを使っていて、それはそれで気に入っていたのですが、そのまま食卓に出すにはちょっと……。そんなときに偶然入った雑貨屋さんでこの萬古(ばんこ)焼の薬味おろしを見つけ、即決(笑)! 手にぴったり収まるサイズ感と陶器の温かみ、何より食卓に映えるデザインに一目で惹(ひ)かれました。私は白を持っていますが、ほかの3色も美しい色みでいくつも欲しくなっちゃいますね」。
 この薬味おろしはビジュアルだけでなく、フワッとやさしくすりおろせるのも魅力。しょうがで試すとよくわかりますが、すりおろしたしょうがの中に繊維がほとんど残らないのです。
「口当たりがやさしいから、料理にたっぷり添えたくなります。脇役とはいえ薬味がおいしいと、いつもの料理がワンランクアップするような気がしますよね。この薬味おろしのおかげで、薬味を使ったメニューがますます増えそうです」。

撮影・宮濱祐美子

たいの冷やし茶漬け

薬味でたいのうまみを底上げ!
香りのよさに箸がすすみます。

材料(2人分)

たい(刺身用/さく)…120g
ご飯(人肌くらいの温かさのもの)…茶碗2杯分
しょうが…1かけ
青じそ…適量
白ごま…少々
だし(冷たいもの)…カップ1・1/4
●しょうゆ
◎320kcal ◎塩分1.1g ◎5分
  1. 青じそはせん切りにする。たいは一口大のそぎ切りにする。しょうがはすりおろす。
  2. 器にご飯を盛り、たいと青じそをのせる。白ごまを散らし、おろししょうがを添える。たいにしょうゆ適量をたらし、だしをかける。

食卓にそのまま出せる
デザイン

土鍋で有名な三重県の四日市萬古焼の窯元でつくられており、食材になじむ美しい色みと温かみのある風合いが食卓のアクセントに。薬味皿としても使えます。

洗いやすいから、
いつでも清潔

おろし刃の部分にすりおろしが詰まることがなく、水で簡単に洗い流せます。よく使う道具こそ、手入れのしやすさも重視したいもの。

フワッと口当たりよくすりおろせる

陶器の刃の形状に工夫が施されているため、すりおろしたしょうがの中に繊維がほとんど残らず、ふんわりとしたやさしい食感の薬味が楽しめます。

理由ありの道具たち
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