よい道具には、理由があります。
料理研究家が愛してやまない台所道具の
逸品と、
その「わけ」を、ご紹介します。

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Vol.20

牛尾理恵さん
「ステンレス製の粉ふりスプーン」

「きょうの料理」5月号掲載分

高たんぱくでヘルシーな食材といえば、鶏むね肉や豚もも肉。自身が健康的なダイエット経験者でもあり、見事成功した牛尾理恵さんイチ押しの食材でもあります。脂肪分が少ないのでパサつきが気になりがちですが、小麦粉や片栗粉をまぶして下ごしらえをしておけば、しっとりして、断然おいしく食べられるんです。
 そこで活躍するのが、ステンレス製の粉ふりスプーン。こし器とスプーンが一体化したような形状で、袋や容器から粉類を直接すくって食材にまぶすことができます。「茶こしほど細かい目じゃないので目詰まりしにくく、粉ふりにちょうどいいんです。計量しながらすくって、そのまま食材にふれるので時短になるし、粉をむだにしませんよ」。お菓子づくりをよくする方は、仕上げに粉砂糖やココアパウダーをふるときにも活躍すること請け合いです。
 粉をふるだけではありません。牛尾さんおすすめの使い方は、卵液をこすこと。「1年ほど前に、お笑いタレントの方にだし巻き卵のつくり方を指南する企画があったんです。そのときに粉ふりスプーンを使って卵液をこすのがポイントだとお伝えしたら……使い勝手のよさと、仕上がりのなめらかさに感激していましたよ」。企画終了後に、牛尾さんは粉ふりスプーンをプレゼント。丈夫なステンレス製で長く使えるので、きっとこれからも活躍することでしょう!

撮影・豊田朋子

鶏むね肉の黒酢炒め

淡泊な鶏むね肉にコクのある黒酢がよくからみ、満足感アップ。
カラフルな野菜を合わせて見た目にも元気よく!

材料(2人分)

鶏むね肉…1枚(250g)
たまねぎ…1/4コ(50g)
パプリカ(赤)…1/2コ(70g)
チンゲンサイ…1株(100g)

A

黒酢・しょうゆ・みりん…各大さじ1
●塩・黒こしょう(粗びき)・小麦粉・ごま油
◎270kcal ◎塩分1.8g ◎15分
  1. 鶏むね肉は1.5㎝厚さの食べやすい大きさにそぎ切りにする。塩・黒こしょう各少々をふり、小麦粉大さじ1を全体に薄くまぶす(下記)。Aは混ぜ合わせる。
  2. たまねぎは縦に1㎝幅に切る。パプリカはヘタと種を取って乱切りに、チンゲンサイは3㎝幅のザク切りにする。
  3. フライパンにごま油小さじ2を中火で熱し、1の鶏肉を焼く。両面を焼いたらたまねぎを加え、時々揺すりながら火を通す。パプリカ、チンゲンサイの軸、葉を順に加えて炒め合わせ、Aを加えてからめる。

鶏むね肉に小麦粉を薄くまぶしておくと調味料がよくからみ、しっとりした口当たりに。

卵液をこすのにも
おすすめ

粉ふりのほか、牛尾さんおすすめの使い方は卵液をこすこと。卵焼きのほか、茶碗蒸しやプリンなど、なめらかに仕上げたい卵料理にはあると便利。

穴の形にひと工夫

スプーン底面の外周部分は六角形、内側手前は大きめの正方形、内側奥は小さめの正方形と、穴の形と大きさが異なります。これは粉をふるときの手の動きを考慮しているから。ムラなく、むだなく粉がふれるように計算されています。

計量に便利な
ガイドライン付き

スプーンの内側に大さじ1の目安となるラインがついていて、粉をすくいながらおよその分量が一目でわかります。計量と粉ふりが1つのスプーンでできるので、洗い物も減らせます。

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