丁寧に手入れされた道具と器が並ぶ髙山さんのキッチン。そのなかで、ひときわ存在感をはなっているのが、この炒め鍋です。以前住んでいた自宅のキッチンがIH だったことから、IH 対応の鉄の鍋を探していて出合ったのだそう。「フライパンと中華鍋のいいとこどりのような鍋で扱いやすく、もう10年以上使い続けています。普通の中華鍋は重くて調理するのも洗うのも大変ですが、これは軽いから腕が疲れません」
さっそく炒め物をつくる様子を見せてもらうと、まず耳に飛び込んできたのが、鍋の中で食材がリズミカルに踊るような心地よい音。「鉄の鍋ならではですよね(笑)。熱伝導がいいから、水分が出やすいきゅうりもシャキッと歯ざわりよく炒められます。このおいしさを知ってしまったら、もう手離せないですね」
表面には特殊な熱処理が施されているためさびにくく、難しい手入れも必要ないのだそう。「私は主に炒め物用に使っていて、使い終わったらお湯で洗い流し、水けを拭くだけ。長年使い込んできたおかげで、油なじみがよくなり、今ではどんな素材もおいしく炒められるという安心感があります。鉄の鍋は自分で育てて使いやすくする道具。今後もよき相棒として、大切に使い続けていきたいです」
撮影・宮濱祐美子
きゅうりの歯ざわりのよさに感動!
鉄鍋の実力が、おいしさにはっきり出ます。
底面が小さいので少量の油でも深さが出て、おいしく揚げられます。注ぎ口は使った油をオイルポットに移すときに便利。
底が丸い中華鍋と違い、平らだから調理台に置いたときに安定し、盛りつけがラク。
熱伝導がよく、しかも側面までしっかり熱が回るため、素材に熱がムラなく伝わります。シャキッと食感よく炒め上がった野菜のおいしさは格別です。