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Vol.13

今月の「道具」=
1合のご飯が炊ける土鍋

選んだひと
城 素穂

じょう・もとほ=スタイリスト。ベルギーで食ともてなしを学び、雑誌や書籍で活躍する。

炊きたてご飯を食べる瞬間がいちばん幸せ! だからこそ、少ない量でもおいしく炊きたい!
そんな人におすすめなのが、この1合でも炊ける土鍋。モダンなデザインの白い土鍋は、栃木県益子町で作陶するご夫妻の手によるオリジナルの作品。土鍋特有の蓄熱性と遠赤外線で、1合でもふっくらとおいしくご飯が炊けます。また、ご飯を炊くだけでなく、洋風の煮込み料理や豆料理など、さまざまな料理にも使える便利な土鍋です。

 最近、少人数の家族が増えていることもあって、1合でも炊ける土鍋のニーズが高まっています。そこで、『きょうの料理ビギナーズ』編集部と城さんがオリジナルの土鍋をつくることに。お願いしたのは郡司製陶所の郡司庸久さん、慶子さんご夫妻。城さんはこの製陶所の別の土鍋を愛用していて、そのよさは折り紙つき。でき上がった土鍋も望みどおりのものでした。

「ストンとした寸胴の形が、いわゆる土鍋の形とは違っていいなあと思いました。ご飯は1合分が短時間でおいしく炊けて、保温力もあるのでそのまま食卓に出しても。白い色も洋風の煮込みが似合う雰囲気です。豆料理はふたを開けたまま豆を弱火でコトコト煮て、火を止めてふたをして冷ますと、いい具合にふっくらとなります。カスレ風の煮込み、蒸し鶏などもおすすめ。焼きいもはさつまいもを水にくぐらせてアルミ箔で包み、ふたをして弱火でじっくり蒸し焼きに。火を消してそのままおくと、ぬっちりと蜜の出た石焼きいも風になるんですよ」

 この日、城さんは栃木県益子町の郡司製陶所へ。土鍋の制作についてお話を伺いました。
「知り合いの料理人から、ご飯を炊くには寸胴の形がいいと教えてもらったんですよ。火の回りがいいからと」と話す庸久さん。耐火粘土を使い、ろくろを回して寸胴の形をつくります。
「ご飯を炊くとき、ふたは多少重めにしたほうが圧がかかるので、ふたは重さを意識してつくっています。ふたや本体の持ち手は一つ一つ手で形づくるので、微妙に形が違ってきます。この工程がいちばん気をつかうところですね」

   

 城さんがこの土鍋でご飯を炊いたとき、吹きこぼれてしまったことがあるという話をしたら、「最初は沸騰するまでの時間がわからないから、吹きこぼれてしまうことがあるんですね。ふたを開けたまま、沸騰させるといいですよ」という目からウロコのお返事。これも先ほどの料理人が伝授してくれたコツだとか。炊き上がりを確認するときも、ふたを開けて大丈夫だそう。吹きこぼれない炊飯方法を教えてもらいました。

・浸水させたお米と分量の水を土鍋に入れ、ふたをしないで火にかける。火は鍋の底面からはみ出さない火加減で。
・沸騰直前に弱火にし、ふたをして9分間ほどを目安に炊き、ふたを開けて水が引いていればOK。
・火を消して15分間蒸らす。
「この方法で炊けば、ご飯は2合まで炊けます。おかゆを炊いてもおいしいですよ」と慶子さん。
 城さんは「この土鍋は丈夫なので、お手入れに気をつかわなくていいのもうれしい。土鍋が身近になりました」と話してくれました。

撮影・竹内章雄/構成&文・海出正子

今回紹介した商品

1合のご飯が炊ける土鍋

サイズ(約)
全幅19cm、内径14.5cm、高さ15cm(持ち手を含む)
価格
12,100円(本体11,000円)
制作
郡司製陶所

同商品はこちらに掲載されています。

「きょうの料理ビギナーズ」
10月号

2022年9月21日発売