じょう・もとほ=スタイリスト。ベルギーで食ともてなしを学び、雑誌や書籍で活躍する。
冬になるとおいしくなる根菜類、どうやって保存していますか? 「最初にこの袋と出合ったときの印象は、きれいな色だなあというものでした」と話す城さん。その色には、自然の植物からとったすてきな名前がつけられています。“山吹”色は城さんいわく、
「キッチンのキーカラーになる」とのこと。シックな“つるばみ”色は、「落ち着いた色合いがどんなキッチンにもなじむ」とか。“つるばみ”とはクヌギ、またはその実のどんぐりの古名です。
生地は奈良の地場産業として江戸時代から続くかやの生地。その生地は空気を通すように、糸と糸の間を広くとって織り上げてあり、非常に軽く、柔軟性に富んでいます。かや生地には綿と麻がありますが、今回ご紹介するものは綿100%です。持ち手に使われているのは伝統的な“真田ひも”。ひもという名ですが、糸を圧縮しながら織る、幅の細い平らな織物です。伸びにくく丈夫なことで知られ、古くは戦国時代に刀の柄に巻かれたり、かぶとのひもなどにも使われたとか。さまざまな美しい織り模様があります。
この袋を実際に使ってみた城さん、想像以上の使いやすさに大満足のようです。 この袋は野菜の保存以外にもさまざまに活用できます。 撮影・竹内章雄/構成&文・海出正子
城さんが最近見つけた野菜袋は、伝統的な“かや生地”と“真田(さなだ)ひも”を組み合わせてつくられたもの。
かや生地は風通しのよさが抜群なので、根菜などを入れて、つるして保存するのにぴったりです。
サイズは大小2種類あって、色は元気が出るイエロー系とシックなグレー系。とってもおしゃれなので、野菜の保存以外にもさまざまな用途に使いたくなります。
「大小のサイズがとても使いやすい! マチの幅も絶妙で、大きいほうはたまねぎが2~3コ重ならずに入って、見た目よりたくさん入る感じ。じゃがいもやたまねぎをゴロゴロ入れても、真田ひもがしっかりと縫いつけられているので安心です。小さいほうにいちばんおすすめなのは、にんにく。柚子(ゆず)、すだちなどのかんきつ類やローリエ、赤とうがらしなどのスパイス類を入れるのにもぴったり。通気性がいいので、キッチンにつるしておくと保存状態もいいですね。以前はじゃがいもをかごに入れて床に置いていたのですが、1コ使い忘れてしまって、気がついたら芽が出ていたなんてことも。でもこの野菜袋を使い始めてからは、いつも目につくところにぶら下げてあるので、使い忘れがなくなるというメリットもあります」
「スーパーの薄いポリ袋、再利用する保存袋などをまとめておくのにも便利。中身を程よく隠せて、取り出しやすいのもいいですね。キッチン以外では、バッグインバッグのように小物をまとめて入れておくのもおすすめ。使わないときはぺたんこに畳めるので、場所をとらずに収納できます。かや生地は汚れても繰り返し洗えるし、使ううちに綿本来の柔らかさが出てきて、ふんわりとなじむ感じになるのも魅力ですね」
今回紹介した商品
通気性に優れた
かや生地でつくった野菜袋(大小セット)
[小]12×15 cm