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Vol.23

今月の「雑貨」=
ワイヤーワークスの楽しい小物たち

選んだひと
城 素穂

じょう・もとほ=スタイリスト。ベルギーで食ともてなしを学び、雑誌や書籍で活躍する。

1本のワイヤーから人の手でさまざまな形の小物をつくるワイヤーワークス。今回、城さんがほれ込んだ小物たちは、神奈川県茅ヶ崎市在住のワイヤークラフト作家の手によるもの。実用性を重視したシンプルなつくりながらも、どこかかわいらしさやユーモラスな表情がある楽しいものです。
たくさんの種類の中から、キッチンで活躍するおすすめの3点、バナナフック、クリップ、ミニボウルをセレクト。一つ一つ手づくりする制作風景とともに、城さんの使い方アイデアをご紹介します。

「この小物たちに出合ったのは、家庭菜園の道具類をつるすフックをネットで探していたときです。ありきたりなものとは違い、さりげないこだわりが感じられました。特に目がくぎづけになったのがバナナフック。ほかに不規則な渦巻きのシリーズもかわいいなあと思いました」と話す城さん。

 これを手がけるのは、ワイヤークラフト作家の森永よし子さん。30年近く前からワイヤーワークでさまざまな日用雑貨を生み出していて、種類は優に100種類を超えるとか。その発想はどのようにして生まれるのでしょうか?
「こんなものがあるといいなあと形が思い浮かぶと、すぐにつくってみるんです。ワイヤーは線なので図面そのもの。発想しやすいので、自分のアイデアだけでなく、お客様からリクエストされることも。用途、形、サイズなど、制約がある中でつくるのもけっこう好きなんですよ。そんな感じで定番アイテムがどんどん増えていきました」と話す森永さん。実は今回ご紹介するミニボウルも、『きょうの料理ビギナーズ』読者のために城さんがキッチンで使いやすい形や大きさ、不規則なぐるぐる具合などを森永さんと相談しながら生まれたデザインなのです。

 アトリエショップに伺って、バナナフックの制作工程を見せていただきました。森永さんがスケッチブックを広げると、そこにはさまざまな作品の実物大の製図のようなものが……。決まった長さにアルミのワイヤーを切り、切り口にヤスリをかけ、その図面に合わせて曲げて形づくります。強度を上げるため、ハンマーでたたいて仕上げるのですが、この作業はなんとひざの上(!)。ゴム板にかなとこをのせ、ひざの上で振動を防ぐそう。その後、BANANAS という刻印を1文字ずつ入れて完成です。バナナフックの絶妙なカーブは、森永さんいわく「フック自体がバナナの形に見えたら楽しいなあと思って」とのこと。

   

 城さんに使用感や、おすすめの使い方アイデアを聞きました。
「このフックにバナナを掛けると、前より長もちするような気がします。キッチンにバナナがぶら下がっている光景も好き! ぐるぐるクリップは、料理のレシピカードやイベントの案内状、お気に入りのポストカードなどをはさんでも。ミニボウルは森永さんから『冷蔵庫から取り出した卵を置くのにちょうどいいの』と教わりました。大きなクッキーを入れたり、食器洗いのスポンジを入れてシンク脇に置いても」
 ぐるぐるとした不規則な形は、一つとして同じものがないのも、手づくりならではの魅力です。

「水ぎれがいいので、ぬれたスポンジもOK」

撮影・竹内章雄/構成&文・海出正子

今回紹介した商品

ワイヤーワークスの楽しい小物たち(3点セット)

サイズ ・重さ(約)
ぐるぐるミニボウル
外径14.5 cm・高さ4cm・120g
ぐるぐるクリップ
幅5.8 cm・長さ11.5 cm・9g
バナナフック
長さ13.5 cm・17g
価格
セットで4,180 円(3,800円)
制作
森永よし子(OJIKO WIRE WORKS)
販売
SEEP STORE

同商品はこちらに掲載されています。

「きょうの料理ビギナーズ」
8月号

2023年7月21日発売