じょう・もとほ=スタイリスト。ベルギーで食ともてなしを学び、雑誌や書籍で活躍する。
食事の時間とはまた違って、ゆったりできるお茶の時間。 「このティーマットを初めて見たとき、清潔感のある白っぽい生地にかわいらしい刺繡が施されていて、なんだか懐かしい気持ちになったのです。刺繡のクオリティーの高さと色づかい、デザインにもひかれました。思い出したのは、幼いころ、お休みの日によく遊びに行っていた祖母の家のお茶の時間。親類が大勢集まると、『では、お茶にいたしましょう』と紅茶をいれながら、三世代がぺちゃくちゃとおしゃべり。その食卓にはいつも刺繡入りのテーブルクロスやティーマットが敷かれていて、おいしいクッキーや焼き菓子もありました」と話す城さん。 今回ご紹介するティーマットは、キッチンウエアの専門商社であるフジイが手がけたもの。日本の伝統工芸の技術を生かして、現代生活に合う商品を開発しているシリーズの一つです。この商品の刺繡は、滋賀県にある着物の半襟刺繡工房の職人によるもの。京都で染められた着物の色合いや柄を引き立たせる役目をする刺繡技術は、長い歴史の中で磨き上げられてきました。その技術を生かした刺繡のモチーフに選んだのは、カモミール、ディル、ラベンダー、ローズマリーのハーブ柄。和・洋・エスニックとさまざまな食を楽しむ日本の食卓に合わせやすいモチーフで、自然を身近に感じられるのも魅力です。
この刺繡は西洋の刺繡より細い糸を使い、針を刺す回数を増やしているので、細やかで豊かな表情が楽しめます。また、この生地は撥水加工されていて丸洗いもOK。リバーシブル仕様で、表は刺繡入りの白っぽいフラックス色(亜麻色)、裏は糸を立体的に織り上げたジャカード織りの生地で、高級感のある白になっています。 城さんが「おばあちゃまの家のティータイム」のイメージで、食卓をコーディネート。淡い紫色のテーブルクロスに、ティーマットの生地と刺繡の色が映えます。 撮影・竹内章雄/構成&文・海出正子
そんなお茶の時間のために城さんが見つけたのは、ハーブ柄の繊細な刺繡が施されたおしゃれなティーマットです。一見、洋風に見えますが、実は着物の半刺繡職人が丁寧に仕上げたもの。生地には撥水加工が施されていて、丸洗いもできるので、汚れを気にせずに使うことができます。伝統工芸と現代的な技術が融合したティーマットとともに、和やかなお茶の時間をのんびりとお過ごしください。
「ティーマットというと、紅茶やコーヒーをこぼしてシミになってしまいがち。なので、その心配が少ないのは本当に便利ですね」
「刺繡の柄のハーブを花器に飾ると、フワッといい香りがして気持ちが和みます。ガラスポットにたっぷりのミントティーをいれ、白いティーカップに。ちょっとレトロな雰囲気にしても楽しいですね」
もっと気軽に、ふだんのさまざまなシーンでも活躍します。
「子どものおやつや、お客様に日本茶を出すときなどにも。裏側の白い面は朝食のときや、晩酌のおつまみセットに。ダイニングテーブルで仕事をしていてお昼ごはんにするとき、これを敷いて気分を切り替えるのもおすすめですね」今回紹介した商品
半襟刺繡職人が手がける
ハーブ柄の洗えるティーマット