NHK出版新書(NS新書)

ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実|NHK出版新書(NS新書)|NHK出版

ルポ 電王戦
人間vs.コンピュータの真実
松本博文
将棋のプロ棋士がコンピュータに敗れる。つい十数年前まで、そんな話は絵空事にすぎなかった。しかし、いま――。日本中を熱狂の渦に巻き込んだ電王戦の裏には、どんなドラマが潜んでいたのか。開発者や棋士たちの素顔を描きながら、戦いの全貌を伝える迫真のルポルタージュ。将棋とは? 知性とは? 人間とは? 「21世紀の文学」とも評された決戦の記録。

目次

第一章
開発者たちの描いた夢
第二章
プロ棋士挑戦への道――電王戦前夜
第三章
老棋士の奇策――第一回電王戦
第四章
プロ棋士が敗れた日――第二回電王戦
第五章
リターンマッチ――第三回電王戦(1)
第六章
決着――第三回電王戦(2)

編集担当者より

 著者の松本博文さんに執筆依頼をした際、真っ先にお願いしたことがあります。それは、将棋の本には必須とも言える「局面図」(盤上の駒の配置などを示す図)を使わずに一冊書きあげてください、ということでした。
 将棋の戦いの様子を伝えるのに局面図を使わないというのは、ある意味無茶なのかもしれません。しかし、私にもそれなりの狙いがありました。プロ棋士とコンピュータの真剣勝負である電王戦は、戦術や戦局の推移を解説するのではなく、戦いに至る盤外のドラマを中心にして描いたほうが、圧倒的に面白いと思ったのです。ならば局面図は不要だろう、と。
 優れた知性の象徴でもあるプロ棋士たちは、どのような覚悟で戦いに臨むのか。対するプログラマたちは、いかに弱小ソフトを育て上げてきたのか。そして、勝敗の先には何が待っているのか。こうした一人一人の人間ドラマにこそ、電王戦の真価があるのだと思います。ドワンゴの川上会長が評したように、電王戦は「21世紀の文学」と言って差し支えない奥行きを持っています。本書は、その魅力を十二分に引き出す一冊であると確信しています。
 一読するとわかるように、本書には、局面図がいっさい入っていなければ、符号の羅列(▲7六歩、△8四歩……と続く「あれ」です)もありません。将棋のルールをほとんど知らなくても読み通すことができ、それでいて読み応え十分の本になったのは、著者の優れた力量の賜物です。
 熱心な将棋ファンはもとより、近年急増している「観る将」の方、さらには人間と機械の頭脳勝負というテーマそのものに惹かれる方、みなさまに自信を持ってお薦めする一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。
(NHK出版 粕谷昭大)

著者プロフィール

松本博文(まつもと・ひろふみ)

著者写真

1973年、山口県生まれ。将棋観戦記者。東京大学将棋部OB。在学中より将棋書籍の編集に従事。同大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力し、「青葉」の名で中継記者を務める。本書が初の単著となる。

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