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「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ|NHK出版新書(NS新書)|NHK出版

「中国共産党」論
習近平の野望と民主化のシナリオ
天児 慧
中国の伝統的思想を踏まえ、独特の政治体制から現指導者の人脈まで、第一人者が持てる知見を総動員して中国共産党「支配の構造」を分析。経済の急減速、高まる民衆の批判、止まない腐敗・汚職など、共産党に吹くかつてない逆風を、習近平はいかに克服しようとしているのか。安易な中国崩壊論、民主化楽観論を排し、巨大国家の行く末を冷静かつ堅実に見通す著者渾身の一冊。

目次

序  章
習近平の危惧
第一章
なぜ中国人は共産党を支持するのか
第二章
中国政治を動かす「人脈」の実態
第三章
揺れる中国――変わる社会と変わりにくい体制
第四章
「中国の夢」と「新常態」のジレンマ
第五章
「中国型民主主義」の可能性

編集担当者より

 2015年8月12日、中国・天津市の浜海新区で死者不明者150人、負傷者600人を超える大爆発が起きました。世界を驚かせたこの「事故」の背景には、当局の不透明な癒着関係があり、大規模な汚職事件に発展する可能性が指摘されています。
 蔓延る汚職・腐敗は、現代中国が抱えている大きな問題の一つです。これに対して習近平は総書記就任以来、一貫して「反腐敗闘争」という形で徹底的に向き合い成果を上げてきました。ですが、結果的にライバルを蹴落とし、権力をほしいままにしている姿を独裁者と呼ぶ声があることも事実です。また、次々と新たな組織をつくりそのトップに就任し、「言論の自由」を激しく弾圧していることに民衆の不満も高まっています。
 加えて、目下の中国の大問題は急減速する経済です。習近平は経済が「新常態」に入ったとの認識の下で、「一帯一路」構想や、「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」の設立など野心的な計画をぶち上げ、この難局を乗り切ろうとしています。
 果たしてこれらの試みはうまくいくのでしょうか。本書では外務省の専門調査員を務めたこともある中国研究の第一人者が、こうした習近平の戦略をその背景から説き起こしつつ、可能性と限界について冷静に分析します。話題は中国政治を動かす共産党中枢の人脈から、巨大な地方を統治するための支配の構造、そして来たるべき「中国型民主主義」の可能性まで多岐にわたりますが、いずれも現代中国の「これから」を知る上で極めて重要なものばかりです。視界不良の大国の未来を見通すための一書としてお読みいただければ幸いです。
(NHK出版 山北健司)

著者プロフィール

天児 慧(あまこ・さとし)

著者写真

1947年生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。早稲田大学卒業、一橋大学大学院博士課程修了。社会学博士。外務省専門調査員として在北京日本大使館勤務などを経て現職。『中華人民共和国史 新版』(岩波新書)、『日中対立─習近平の中国をよむ』(ちくま新書)など著書多数。

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